ケイスケの音響学

言語聴覚士に必要な音響学の解説をします。

音響学 物理分野

音響学の基礎164 名前と文字の整理

名前と文字の整理 波の分野の単語と意味と単位のプリントを作った。 このプリントは見てすぐに解けないといけない。 これを覚えないと、公式を覚えてもあまり意味がない。 白紙の状態から全部埋めることができるようになろう。 一段目だけ解答を書いておこう…

音響学の基礎163 音の正体

音の正体 今回は音について詳しく書こう。 音波というくらいだから波の一種であることはわかるが、 何で音が波なのかわからない人が多い。 まず、音というのは音源が発した空気の振動だ。 その空気の振動は人間の耳を振動させ、 人間が感知し音と認識する。 …

音響学の基礎80 音のスペクトル 応用問題⑥

応用問題⑥ 今回は波形のグラフとスペクトルの問題。 問題は純音を選ぶだけだから簡単だろう。 また、他の選択肢が何を表しているのかを判断しよう。 単位と値があるので読み取る訓練をするのも良い。 1なら振幅0.8 Paで周期が2 msの複合音というように。 今…

音響学の基礎79 音のスペクトル 応用問題⑤

応用問題⑤ 今回も正誤判定問題だ。 今までの投稿で解説していないものが多いからヒントを出そう。 ヒント2: 連続スペクトルの帯域を制限するというのは、 例えば400~800Hzだけ出力するということ。 バンドノイズに近いかもしれない。 連続スペクトルには…

音響学の基礎78 音のスペクトル 応用問題④

応用問題④ 今回は正誤判定問題。 5つの問題文の◯✕を答えるので難易度が上がる。 少しだけヒントを出そう。 ヒント3: 音圧からパワースペクトルの計算は、 実効値を使って計算する。 実効値=最大振幅×0.71 3の問題文で最大振幅が1.41[mPa]だから 代入して…

音響学の基礎77 音のスペクトル 応用問題③

応用問題③ 今回は間違い探し。 どの選択肢が間違っているかを探そう。 こういう問題は選択肢を探すだけではなく、 その選択肢はどこが間違っているかまで言える方が良い。 今回は音のスペクトルについて理解しておけば解ける。 もし、一箇所でもわからない単…

音響学の基礎76 音のスペクトル 応用問題②

応用問題② 今日は易しめかもしれない。 5つの音の中で連続スペクトルになるものを選ぶ問題。 連続スペクトルではないものを2つ除外して考えたほうが楽かも。 連続スペクトルでないということは何スペクトルになる? cafetalk.com

音響学の基礎75 音のスペクトル 応用問題①

応用問題① 今回から音のスペクトルの応用問題を解いていこう。 自信がない人は投稿69~74をしっかり見直してからの方が良い。 今日はホワイトノイズについての問題。 2と3の選択肢が似ているので注意が必要だ。 1、4、5はどこが間違いなのかまで指摘で…

音響学の基礎74 インパルスのスペクトル

インパルスのスペクトル インパルスはクリック音のように一瞬にして終わるような音だ。 純音から数周波だけ切り出した音であり、過渡音と表現することもある。 インパルスのスペクトルはホワイトノイズのように連続スペクトルになる。 ただし、ホワイトノイ…

音響学の基礎73 バンドノイズのスペクトル

バンドノイズのスペクトル バンドノイズはある範囲の周波数成分を均一にもっている雑音のことだ。 波形は純音に近そうだが、スペクトルは全く違う。 バンドノイズには中心周波数と帯域幅を持つ。 中心周波数はスペクトルの四角形の中心の周波数で、 帯域幅は…

音響学の基礎72 ピンクノイズのスペクトル

ピンクノイズのスペクトル ピンクノイズの波形だけを見ると、 前回のホワイトノイズと区別しにくい。 そこで、スペクトルを見てみる。 ホワイトノイズは横一直線だったが、 ピンクノイズは反比例のグラフになる。 縦軸がdB、横軸が周波数の対数(対数軸)に…

音響学の基礎71 ホワイトノイズのスペクトル

ホワイトノイズのスペクトル 今回から少しわかりにくいかもしれない。 まず、波形に注目すると周期がない。 次に、スペクトルに注目すると横線が一本だけ。 あらゆる周波数の音を等しい量含んでいるので、 周期音にならないのだ。つまり非周期音になる。 あ…

音響学の基礎70 周期音のスペクトル

周期音のスペクトル 前回の純音のスペクトルに続き、今回は周期音のスペクトルだ。 周期音は純音ではなく複合音に分類される。 周期音は基本音と倍音から構成され、スペクトルを見ると、 周波数がf1、2f1、3f1、…、となる箇所だけ線になる。 離散スペクトル…

音響学の基礎69 純音のスペクトル

純音のスペクトル 今回からスペクトルについて解説しよう。 上図が波形 (y-tグラフ)、 下図がスペクトル (音の大きさと周波数のグラフ)だ。 純音は周波数が1つしかない。 上図の例では400 Hzである。 もしその他に800 Hzや1200 Hzなどの成分があったら複合…

音響学の基礎68 音の種類

音の種類 音響学で勉強する音の種類は4種類ある。 純音と複合音については投稿26・27でも触れた。 今、純音の性質を5個言える?暗記してる? 純音↔複合音であり、周期音↔非周期音である。 ↔で書いたこれらは同時に成り立つことがない。 対義語のようなもの…

音響学の基礎67 空気中の屈折

空気中の屈折 音速は空気の温度によって異なる。 地面からの距離で気温が変わるとき、音は屈折しながら進む。 気温が高いほど音速は速くなる。 公式は覚えているね?覚えてない人は投稿13に戻ろう。 夏の晴れた昼のように地上が気温が高いときはaのように進…

音響学の基礎66 屈折

屈折 屈折:光や音などがある面で折れ曲がる現象。 ここでも入射角は境界面に引いた垂線からの角度になる。 入射角と屈折角は等しくない。 空気中から水中に光が入射すると屈折角は小さくなる。 イメージ的には下方向に折れ曲がる。 反対に水中から空気中に…

音響学の基礎65 反射

反射 反射:光や音などがある面で跳ね返る現象。 入射角と反射角は等しくなる。 入射角は境界面に引いた垂線からの角度になる。 ここだけ注意をしてほしい。 正反射とは鏡面反射のことである。 正反射は入射角と反射角が等しい反射。 それに対して拡散反射は…

音響学の基礎64 頭の陰影効果

頭の陰影効果 図のように音源に対して横を向いて音を聴く。 片方の耳には音は直接届くが、 もう片方の耳には直接届かない。 頭によって遮られるからだ。 どうして反対の耳で聴こえるかと言うと、回折した音を聴いているのだ。 ここで、低い音と高い音が出て…

音響学の基礎63 回折④

回折④ 投稿62で長い波長は短い波長より回折することが視覚的に理解できた。 ここで、投稿⑭の音速と周波数と波長の公式を思い出そう。 c=fλ これを、 f=c/λ とすると、 音速は340 [m/s]の定数なので、 波長が長くなると分母が大きくなり、周波数は小さくなる…

音響学の基礎62 回折③

回折③ 今回だけ特別にカラー。 グレーだと写真が上手く読み取れなかったからだ。 aとbでは隙間の幅が違う。 隙間が狭いほどよく回折する。 cとdでは波長の長さが違う。 波長が長いほどよく回折する。 この4つの写真が頭の中に浮かぶと、 投稿61の式は覚えな…

音響学の基礎61 回折②

回折② 上図と下図では回折角が違う。 よく見ると隙間の幅が違う。 隙間の幅が狭いほどよく回り込むのだ。 また、波長が長いほどよく回り込む。 音響学では、右上の公式らしいのが出てくる。 しかし、私はこの式を高校物理で見たことがない。 数式で書いてな…

音響学の基礎60 回折①

回折① まずは下図を見てみよう。 壁があっても離れた二人の話し声が聴こえる。 それは音を直接聞いているのではなく、回折した音を聴いているのだ。 上図に戻ろう。 回折とは進行波が障害物の背面に回り込む現象のことだ。 障害物の背面全範囲に回り込むこと…

音響学の基礎59 ホイヘンスの原理

ホイヘンスの原理 水槽に水滴を落としたとき、同心円状に波が伝わるのはイメージしやすい。 波の後半の回折や屈折がイメージしにくいだろう。 回折や屈折を説明するためにホイヘンスの原理が使われる。 ホイヘンスの原理というのは、 素元波という小さな波の…

音響学の基礎58 ドップラー効果 問題

ドップラー効果 問題 音響学の定期テストでどのように出題されるか。 生徒の3年分の過去問を見たところ、出題はこの1問のみ。 ドップラー効果の公式は覚えても使わないということだ。 少なくとも音響学では覚えなくて良い。 頭の中で救急車が近づいたとき…

音響学の基礎57 ドップラー効果

ドップラー効果 音響学ではドップラー効果はこのくらいの説明で充分。 高校物理なら詳しく公式を学ばないといけないが、 音響学では公式は発展レベルなので覚えなくて良い。 音響学の単位を取るだけなら最低限の知識で済ませよう。 深追いは禁物だ。 互いに…

音響学の基礎56 うなり 問題

うなり 問題 前回の投稿でうなりの式は覚えたね? では、早速問題を解いていこう。 前回の式に値を入れると解答が出る。 絶対値と聞くと身構えてしまうけど、実はそんなに難しことじゃないんだ。 ただの引き算じゃん? 簡単じゃん! 少なくとも音響学ではこ…

音響学の基礎55 うなりの式

うなり 公式 閉管の共鳴問題は前回までで終わり。今回から別の範囲に移る。 うなり。うなりの回数の求め方を簡単に説明しよう。 fうなり:1秒間のうなりの回数 |f1-f2| これで「絶対値f1マイナスf2」と読む。 え?絶対値がわからない? 数学から離れている人…

音響学の基礎54 閉管の共鳴 応用問題⑥

閉管の共鳴 応用問題⑥ 閉管の共鳴の応用問題はこれで最後だ。頑張ろう。 今回は波長の長さを聞かれている。 閉管のn倍振動の波長の式を覚えていない? でも大丈夫。覚える必要は全くないのだ。 思い出して欲しい。 音速と周波数が与えられて波長を聞かれて…

音響学の基礎53 閉管の共鳴 応用問題⑤

閉管の共鳴 応用問題⑤ 前回は外耳道を閉管に近似した。 今回は声道を閉管に近似する。 もう既に4回応用問題を解いているので閉管の式は見なくても大丈夫だよね。 基本振動の周波数の3倍が3倍振動の周波数、 5倍が5倍振動の周波数だ。 ここまで類題をや…