ケイスケの音響学

音響学の解説をします。

音響学の基礎414 過去問51

過去問50

問題40

音圧1Paを音圧レベルに換算したとき、dB尺度上で最も近いのはどれか。

1.    40dB

2.    60dB

3.    80dB

4.    100dB

5.    120dB

言語聴覚士国家試験第23回午前問題40

 

ヒント:

音圧と音圧レベルを対応させて覚えると少し簡略化できる。

20Pa⇔120dB SPL

  2Pa⇔100dB SPL

1Paは2Paの \dfrac{1}{2}なので、

音圧が \dfrac{1}{2}になったときの計算をすれば良い。

音圧が \dfrac{1}{2}になると音圧レベルが6下がる。

1Paは2Paの \dfrac{1}{2}なので、

100 dB SPLから6を引いて94 dB SPLと求められる。

選択肢のうちdB尺度上で最も近いのは100dBになるので、

よって、4が正解である。

 

応用:

 \rm{dB\ \ SPL=20\log(\dfrac{P}{P_0})}

上式に

P=1×106 [μPa]

P0=20 [μPa]

を代入する。

 \rm{dB\ \ SPL=20\log(\dfrac{P}{P_0})}

      =20\log(\dfrac{1×10^6}{20})

      =20\log(\dfrac{10×10^5}{20})

      =20\log(\dfrac{1×10^5}{2})

      =20\log(\dfrac{10^5}{2})

      =20(\log10^5-\log2)

      =20(5\log10-\log2)

      =20×(5-0.3)

      =20×4.7

      =94

94 dB SPLと求めることができる。

この計算でも100dBが最も近い値になる。

 

補足:

log5の値はそのままでは求められないので、

分子分母を2で約分しないこと。

log10とlog2を上手く使おう。

音響学の基礎413 過去問50

過去問50

問題38

音圧2μPaの音を100倍に増幅したときの音圧レベルはどれか。

1.    0.02dB SPL

2.    0.2dB SPL

3.    2dB SPL

4.    20dB SPL

5.    200dB SPL

言語聴覚士国家試験第27回午後問題38

 

音圧2μPaの音を100倍に増幅すると、

増幅された音圧Pは、

 \rm{P= 2×100}

  \rm{=200\ Pa}

よって、音圧は200 Paということがわかる。

 

あとは、音圧レベルの公式に代入して、

 \rm{dB\ SPL=20 \log ( \dfrac{200}{20})}

     =20 \log (10)

     =20×(\log10)

     =20×1

     =20

よって、20dB SPLと求められる。

 

応用:

音圧レベル0~120dB SPLが人間の可聴範囲なので、

1と2は小さすぎて可聴範囲外、

5は大きすぎて可聴範囲外ということを考えると、

現実的範囲で選択肢は3か4になる。

音響学の基礎412 過去問49

過去問49

問題39

第2ホルマント周波数が1500Hzの成人女性の母音の声道形状を変えないで、

声道長だけ一様に20%長くした場合の第2ホルマント周波数はどれか。

1.    1000Hz

2.    1250Hz

3.    1500Hz

4.    1750Hz

5.    1800Hz

第13回言語聴覚士国家試験午前問題39

 

復習:

閉管の気柱の共鳴の公式は、

f_n= \dfrac {nc}{4L}

fn:n倍振動のときの周波数[Hz]。最低共鳴周波数のときf1。

n:何倍振動なのかを表す自然数の奇数(1,3,5,・・・)

c:音速[m/s]

L:閉管の気柱の長さ[m]

で表される。

 

第2ホルマントのときは3倍振動に相当するので、

n=3を代入すれば良い。

そうすると上式は、

f_3= \dfrac {3c}{4L}⋯①

となる。

 

閉管の長さをL′にして

そのときの周波数をf′とする。

それらを公式に代入すると、

f'_3= \dfrac {3c}{4L'}⋯②

すると、音速は変化しないので分子に同じ形が現れる。

 

今、f′を求めたいので、分子を①式、分母を②式にして式同士割り算をする。

 \dfrac{f'_3}{f_3}= \dfrac{\dfrac{3c}{4L'}}{\dfrac {3c}{4L}}

右辺は分数の割り算なので、

分母を逆数にして掛け算にする。

 \dfrac{f'_3}{f_3}=\dfrac{3c}{4L'}×\dfrac {4L}{3c}

共通項で約分すると残るのは、

 \dfrac{f'_3}{f_3}=\dfrac{L}{L'}

となる。

両辺に、f3を掛けると、

 f'_3=\dfrac{L}{L'}×f_3

となる。

 

問題文によると、第2ホルマントつまりf3は1500Hz、

声道長Lが20%長くなるので、L'は元の長さの1.20倍の1.2Lになる。

それぞれの値を代入すると、

 f'_3=\dfrac{L}{1.2L}×1500

分母分子のLを約分すると、

 f'_3=\dfrac{1}{1.2}×1500

さらに式を整理すると、

 f'_3=\dfrac{1500}{1.2}

最後に、計算すると1250Hzと求められる。

 

よって、正解は2である。

音響学の基礎411 中間テスト102

中間テスト102

『アンチホルマントは声道の反共鳴現象と捉えることができる』

この記述は◯か✕か。

 

ヒント:

アンチホルマントとは、声道内に形成される副腔(鼻腔や口腔の閉鎖部)

などによって、特定の周波数成分が打ち消される(減衰する)現象である。

これは共鳴とは逆に、音響エネルギーが吸収またはキャンセルされるため、

スペクトルにおいて深い谷(ディップ)として表れる。

 

よって、正解は◯である。

音響学の基礎410 中間テスト101

中間テスト101

『ホルマントは声道における共鳴周波数である』

この記述は◯か✕か。

 

ヒント:

ホルマントとは、声道が共鳴器として機能することにより、

特定の周波数成分が強調される現象である。

 

声帯音声は多数の周波数成分を含んでいるが、

声道の形状や長さによって特定の周波数が共鳴し、他よりも強くなる。

このような共鳴によって得られる強調された周波数成分がホルマントである。

 

よって、正解は◯である。

音響学の基礎409 中間テスト100

中間テスト100

『母音の生成は声道の共鳴現象と捉えることができる』

この記述は◯か✕か。

 

ヒント:

母音は、声帯の振動によって生じる声帯音源が、

声道を通過することで特徴的な音になる。

声道は、長さ・形・断面積の異なる管の組み合わせでできており、

音源から出た音に対して、ある特定の周波数を強調(共鳴)し、他の周波数を抑える。

この共鳴によって強調された周波数成分をフォルマントと呼び、

母音ごとに異なるフォルマント構造を持つことで区別される音質が生まれる。

 

つまり、母音は、声帯で生まれた音が声道内で共鳴することによって特徴づけられる。

 

よって、正解は◯である。

音響学の基礎408 中間テスト99

中間テスト99

『声道の伝達特性は、声道の共鳴特性である』

この記述は◯か✕か。

 

ヒント:

声道の伝達特性:

声帯が発する音源信号が、声道という空間を通って

音として放射されるまでの変化の仕方を示す。

つまり、入力された音(声帯音)をどう変えるかという

フィルターのような働きのことである。

 

声道の共鳴特性:

声道の形や長さ、断面積によって決まる

特定の周波数帯域での音の強調や減衰のこと。

これは声道が共鳴する、つまり、ある周波数に響きやすいという意味である。

 

声道は周波数特性を持つフィルターとして働いているので、

声道の伝達特性 = 声道の共鳴特性と言える。

 

よって、正解は◯である。