ケイスケの音響学

言語聴覚士に必要な音響学の解説をします。

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

音響学の基礎⑮ 表埋め問題

表埋め問題 今回は今までの復習をしよう。 音速cと周波数fが与えられているとき、 波長λと周期Tを求める問題。 この表は音響学を学んだ方なら見たことがあるかもしれない。 テキストには載っていないが先生方が好んで使う表だ。 この表自体がテストに出るこ…

音響学の基礎⑭ 音速と周波数と波長の公式

音速と周波数と波長の公式 前回の⑬では空気中の音速を求めた。 空気中の音速は公式で求めることができるが、 音響学では340m/sを使うことが多い。 今日は新しい公式を覚えよう。 『c=fλ』 これもfとλの間の『×』が省略されている。 音速は周波数と波長を掛け…

音響学の基礎⑬ 空気中の音速

空気中の音速 気温がわかると音速が計算できる。 もう既に忘れているかもしれないが、 中学校で音速は340m/s、つまり秒速340mということを教わっている。 ただし、これには注意書きがあって 『気温が約15℃のとき』 という条件がついてる。 つまり、温度が15℃…

音響学の基礎⑫ 周波数と周期の計算問題

音速の周波数と周期の計算 グラフの説明は一段落したので計算問題を解こう。 音速の周波数と周期の問題。 問題を出されると、どの公式を使えば良いのかわからなくなるかもしれない。 ヒント1:前回の⑪に周波数fと周期Tの関係が載っている。 ヒント2:周波…

音響学の基礎⑪ 変位と時間のグラフ

変位と時間のグラフ 前々回説明したように、変位と時間のグラフ(y-tグラフ)は、 縦軸が変位、横軸が時間になっている。 もう一度言う。横軸が時間になっている! これを見落とすとグラフから読み取れず計算ができないので要注意だ。 変位と時間のグラフでは…

音響学の基礎⑩ 変位と距離のグラフ

変位と距離のグラフ 前回説明したように、変位と距離のグラフ(y-xグラフ)は、 縦軸が振幅、横軸が距離になっている。 この振幅は波が基準面よりどれだけ高いかを示す。 山から谷までの高さではないことに注意しよう。 波長というのは山から山までの距離。 ま…

音響学の基礎⑨ 波のグラフを読み取る

波のグラフ まずは、左側の解説を読んでみよう。 水面に水滴を落とすと円状に波が広がる。 それを水面で切り取ってみたとき、つまり イメージするために水槽で横から水面を見るとしよう。 ~のように上下に波打つのがわかる。 難しいのはここから。 まずは、…

音響学の基礎⑧ 補助単位の計算

補助単位の計算練習 音響学を勉強すると公式が沢山出てくる。 公式は暗記しないといけないので解説はしないけど、 単位換算は必ず出来なければいけない。 例えば、周波数の計算は周期の逆数で求められるが、 周波数はHz(ヘルツ)、周期はs(秒)など数値には単…

音響学の基礎⑦ 過去問に挑戦

過去問 対数の計算 これは実際に生徒から送ってもらった音響学の過去問の一部。 このレベルの問題が出ても焦らずに確実に解けるようにしたい。 10log(I/I0)はdB SIL(またはdB IL)を計算する公式だ。 音の強さから音の強さのレベルを求めるときに使う。 これ…

音響学の基礎⑥ 対数の問題

対数の練習問題 遂に出た対数の問題。 音響学のテキストやプリントには必ず書いてあるこの計算。 突然出てくると面食らうと思う。 log 2とlog 3が与えられているので、先に解けそうな問題から解こう。 ヒント1:4=2の2乗 ヒント2:6=2×3 ヒント3:8=2の3…

音響学の基礎⑤ 常用対数

音響学の対数表示 対数の定義で少し触れたが、音響学では常用対数を使う。 この言い方だと難しく感じるかもしれないけど実は簡単なことだ。 logの後ろの小さい10を省略するだけ。 つまり、log aMのa=10であり省略されるということ。 log 5=log 105のことで、…

音響学の基礎④ 対数の公式

対数の公式 今回はみんな大嫌いな対数の公式の説明をしよう。 数学的な証明は余計に混乱するし音響学には必要ないので割愛。 左上の四角枠は前回の対数の定義で変換できる。 左下の四角枠が少し難しいかもしれない。 1.「対数の掛け算は足し算にする」 これ…

音響学の基礎③ 対数の定義

対数の定義 指数法則がわかったら対数の定義の解説に入ろう。 音響学を学ぶ人はlogの計算で躓くことが多い。 対数公式は覚えるだけだと応用問題に手が出せなくなってしまう。 まずは、落ち着いて基礎から勉強していこう。 数学的に細かい説明はしないけど、 …

音響学の基礎② 対数のグラフ

音圧と音圧レベルのグラフ 音響学テキストの表をグラフにしてみたのが左上。 80dBから100dBになると10倍になり、100dBから120dBになると100倍になる。 100dBを基準にすると80dBは1/10、60dBは1/100、40dBは1/1000になり、 途中まで値が小さすぎて増加量が見…

音響学の基礎① 指数法則

指数法則 投稿106から6回で指数法則についてを解説している。 指数法則に詰まったら投稿106まで進もう。 前回の記事では単位と補助単位の表を解説した。 今回はデシベル計算の基礎ということで、1回目のPDFを一部紹介する。 dBSPL=20log(P/P0) 音圧から音圧…

単位と補助単位の説明

単位と補助単位 音響学で躓く一歩目、単位換算。 先に言っておくと理系科目では単位が非常に重要になる。 例えば、1ミリも理解していないと言った場合、 1mgなのか1mmなのか1mLなのかで何を表しているかが異なる。 音響学を勉強すると、μPaやmPaやPaといった…