ケイスケの音響学

言語聴覚士に必要な音響学の解説をします。

2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

音響学の基礎148 過去問㊲

過去問㊲ 今回は、成人の標準人体模型による裸耳利得が ピークを示す周波数に最も近いものを選ぶ問題。 裸耳利得(オープンイヤーゲイン): 耳の穴から鼓膜に至る外耳道には、 共鳴により特定の周波数の音を増幅する作用がある。 音が鼓膜に届くまでにどれ…

音響学の基礎147 過去問㊱

過去問㊱ 今回は音響管と外耳道と声道との類似性の記述で誤っているものを選ぶ問題。 外耳道は外耳孔(耳の穴)から鼓膜までの部分を指す。 外耳孔を開放端、鼓膜を閉端とする閉管モデルで近似できる。 外耳道は長さが約3cm。 今、閉管の長さを2.5cmとすると…

音響学の基礎146 過去問㉟

過去問㉟ 今回は音響管内の音波の伝播で誤っているものを選ぶ問題。 音波は縦波なので、音響管内では縦波が伝播する。 開放端は振動(粒子速度)の腹=音圧の節になる。 波の伝わる速さは温度に依存し、 周波数には依存しない。 発展(音響学では必要ない知…

音響学の基礎145 過去問㉞

過去問㉞ 今回は音響管内の音波の伝播で誤っている選択肢を探す問題。 1. 逆位相の音波が干渉すると消滅することがある。 山と谷がぶつかると干渉して見かけ上波が消える。 この原理はノイズキャンセリングイヤホンなどに利用されている。 2. 共鳴すると振幅…

音響学の基礎144 過去問㉝

過去問㉝ 今回は中性母音の声道内定在波の記述のうち誤っているものを選ぶ問題。 定在波は定常波のことであり、 F1は第1フォルマント(基本振動の周波数)、 F2は第2フォルマント(3倍振動の周波数)、を表す。 振動(粒子速度)の節=音圧の腹、 振動(…

音響学の基礎143 過去問㉜

過去問㉜ 今回は閉管の音響管の共鳴周波数に近い選択肢を選ぶ問題。 復習範囲は投稿50。 閉管の共鳴の公式は、 fn=nc/4L fn:n倍振動の周波数[Hz] n:自然数(1,2,3,・・・) c:音速[m/s] L:閉管の長さ[m] 上式には閉管の内径が必要ないので内径の3cmは使わな…

音響学の基礎142 過去問㉛

過去問㉛ 今回は声道の共鳴周波数について正しい記述を選ぶ問題。 復習範囲は投稿53。 第1共鳴周波数は第1フォルマントであり、基本振動の周波数f1になる。 第2共鳴周波数は第2フォルマントであり、3倍振動の周波数f3になる。 声門が閉じ唇が開いている…

音響学の基礎141 過去問㉚

過去問㉚ 今回は声道内を伝播する音波の性質について正しい組み合わせを選ぶ問題。 声道は声門を閉口端(固定端)、唇を開口端(自由端)とした閉管と近似できる。 あとは、数値としてf1=200Hzが与えられている。 a.音速は気温に依存する。15℃のとき約340m/s…

音響学の基礎140 過去問㉙

過去問㉙ 今回は声道の構成要素でないものを探す問題。 肺から出された空気(呼気)は、 気管→喉頭→口腔を通って唇から声として発せられる。 肺からの呼気の通路を気道と呼び、 気道のうち喉頭よりも上側の、咽頭、口腔、鼻腔を合わせて声道と呼ぶ。 メモ: …

音響学の基礎139 過去問㉘

過去問㉘ 今回は音と振幅スペクトルの組み合わせで誤っている選択肢を探す問題。 振幅スペクトルはパワースペクトルと縦軸が異なる。 ここから先は難しくなるので飛ばしても良い。 フーリエ変換では、変換結果は一般的に複素数になる。 縦軸を振幅(の絶対値…

音響学の基礎138 過去問㉗

過去問㉗ 今回は音のスペクトルについて誤っている選択を探す問題。 ヒント: ①雑音(〇〇ノイズなど)は連続スペクトルになり無数の周波数成分を持つ。 ②純音は単一の周波数成分を持つ。 ③白色雑音(ホワイトノイズ)のスペクトルは、 あらゆる周波数成分を…

音響学の基礎137 過去問㉖

過去問㉖ 今回は計算問題。 パワースペクトルが平坦な帯域が制限された雑音はバンドノイズだ。 あるバンドノイズの帯域を半分にすると、 音圧レベルはどう変化するか聞かれている。 音圧レベルの変化を聞かれているが、 問題で音圧は与えられていない。 この…

音響学の基礎136 過去問㉕

過去問㉕ 今回は計算問題。 帯域を10kHzに制限された60dB/Hzの白色雑音の音圧レベルを求めるときは、 イメージとして縦軸が60dB/Hz、 横軸が10kHzのスペクトルを思い浮かべよう。 この部分の面積を求めたいのだが、 単位が違うのでただ単に掛けてはいけない…

音響学の基礎135 過去問㉔

過去問㉔ 今回は純音の持続時間を短くしたときの変化で誤っている選択肢を探す問題。 純音は周期音であり周波数成分を1つしか持たない。 持続時間が短くなると線スペクトルは不明瞭になり連続スペクトルになる。 つまり、トーンバーストに近づく。 聞こえの…

音響学の基礎134 過去問㉓

過去問㉓ 今回は連続スペクトルになるものを選ぶ問題。 言語聴覚士の国家試験がマークシート形式の5択だからこういう出題になる。 復習範囲は投稿68~投稿74。 全ての波形のグラフと音のスペクトルを思い出そう。 ヒント: 純音↔複合音であり、 周期音↔非周…

音響学の基礎133 過去問㉒

過去問㉒ 今回は連続スペクトルについて記述している選択肢を選ぶ問題。 復習範囲は投稿68~投稿74。 連続スペクトルではないものを線スペクトルといい、 線スペクトルは単一スペクトルと離散スペクトルに分けられる。 連続スペクトルは大雑把に何かというと…

音響学の基礎132 過去問㉑

過去問㉑ 今回は音圧を音圧レベルに変換する問題。 正確な値ではなく概算値を聞かれているから、 dBSPLの公式を使って計算する必要はない。 音圧レベルが0、20、40、60、80、100、120dBのときの音圧は覚えているだろうか? 投稿98に参考になる表がある。 0dB…

音響学の基礎131 過去問⑳

過去問⑳ 今回は音圧と音圧レベルに関する記述で誤っている組み合わせを探す問題。 ヒントは文章で書こう。 音圧から音圧レベルを求める式はdBSPLの公式で求められる。 dBSPL=20log(P/P0) Pは問題で与えられる音圧であり、 P0は音圧の基準値である。 音圧の基…

音響学の基礎130 過去問⑲

過去問⑲ 今回は音圧と音圧レベルと音の強さの記述について、 誤っている選択肢を見つける問題。 ヒント: ①音圧レベルの基準値P0=20μPaである。 ②音圧が2倍になると音圧レベルは6dB上昇する。 ③音圧が10倍になると音圧レベルは20dB上昇する。 ④音の強さが…

音響学の基礎129 過去問⑱

過去問⑱ 今回は音圧レベルの基準音圧について正しい選択肢を選ぶ問題。 ヒント: ①音圧レベルの基準音圧は20μPaの一定値になる。 20μPa=0dBSPLとなる。 ②個人の聴力損失は個々の被験者毎の最小可聴値であり、 感覚レベル(0dBSL)になる。 ③ISO基準最小可聴…

音響学の基礎128 過去問⑰

過去問⑰ 今回は音圧レベルと音の強さのレベルについて正しい選択肢を選ぶ問題。 音圧レベルはdBSPL、音の強さのレベルはdBSILの公式でそれぞれ求められる。 ヒント: ①音圧レベルは20μPaを基準にしている。 ②音の強さは音圧の自乗に比例する。 ③音圧レベルと…