ケイスケの音響学

言語聴覚士に必要な音響学の解説をします。

音響学の基礎141 過去問㉚

過去問㉚

今回は声道内を伝播する音波の性質について正しい組み合わせを選ぶ問題。

声道は声門を閉口端(固定端)、唇を開口端(自由端)とした閉管と近似できる。

あとは、数値としてf1=200Hzが与えられている。

 

a.音速は気温に依存する。15℃のとき約340m/s。男女間での差はない。

b.閉管の共鳴なので振動数は、基本周波数の奇数倍に大きくなる。

 f3=200×3=600Hz、f5=200×5=1000Hz。

c.気温15℃とすると、音速は約340m/s。

 λ=c/f の公式に代入して、

 λ=340/200=1.7m

d.閉管内のいたるところで音波は反射している。

e.閉管の共鳴は反射と干渉によって起こる。

 

メモ:

息を吸うとき、つまり肺に吸気が送られるときに声門が開き、

息を吐くとき、つまり肺から呼気が送られてくるときに声門が閉じる。

声門が閉じて声帯が震えると疎密波ができる。

すると、声道は声門を閉口端、唇を開口端とした閉管と近似できる。

発生した疎密波は唇までの声道で反射と干渉し、

結果として共鳴させることにより有声音を発することができる。

 

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