ケイスケの音響学

言語聴覚士に必要な音響学の解説をします。

音響学の基礎199 中間テスト35

中間テスト35 『音は球面状に伝播するが、障害物があると屈折したり反射したりする』 この記述は◯か✕か。 ヒント: 水面波は2次元なので円状に伝搬する。 音波は3次元なので球面状に伝搬する。 屈折:波が物質の境界面で折れ曲がる現象 反射:物に当たった…

音響学の基礎198 中間テスト34

中間テスト34 『音圧実効値の自乗(2乗)と音の強さは逆比例する』 この記述は◯か✕か。 ヒント: と表すことができる。 ここで、空気の密度と音速は定数なので、 となり、音の強さは音圧(実効音圧)の値の2乗に比例する。 詳しくは投稿184に記載してある。 …

音響学の基礎197 中間テスト33

中間テスト33 『音として知覚する音圧実効値の範囲は~20Paである』 この記述は◯か✕か。 ヒント: 人間が音として知覚することができる音圧実効値は、 20μPa~20Paの範囲である。 μ(マイクロ)はを表す接頭語なので、 μPaをPaに変換すれば良い。 補足: 可聴…

音響学の基礎196 中間テスト32

中間テスト32 『音(圧)は大気圧に対する変化分であり、 音圧範囲は大気圧に対して極めて小さな変化分になる』 この記述は◯か✕か。 ヒント: この文章は言い回しが難しいのでわかり易い表現に直そう。 『音は大気圧からの気圧の変化であり、 音圧の範囲は大気…

音響学の基礎195 中間テスト31

中間テスト31 『大気圧はおよそ1000hPaである』 この記述は◯か✕か。 ヒント: 気圧は気体の圧力のことで、 大気圧は地球上の大気の重さによる圧力のことである。 大気圧は高度や緯度、気象条件により変化するが、 一般的な標準大気圧(1気圧)は海面上での1013…

音響学の基礎194 中間テスト30

中間テスト30 『クリック音は正弦波(純音)成分に分解できる』 この記述は◯か✕か。 ヒント: クリック音とはインパルスのことである。 パルス波のパルス幅を狭くしていき、 幅が0になったものをインパルスという。 インパルスでは、音圧が変化する瞬間だけ聴…

音響学の基礎193 中間テスト29

中間テスト29 『摩擦性雑音は非周期音である』 この記述は◯か✕か。 摩擦音とは、調音方法による子音の分類の一種である。 調音する際、声道内に狭い隙間をつくり、 空気がその狭めを通るときに噪音(そうおん)を発する。 雑音とは、不規則で不愉快に感じら…

音響学の基礎192 中間テスト28

中間テスト28 『周期が2msの連続パルス音は周期的複合音である』 この記述は◯か✕か。 ヒント: パルスとは、急激に立ち上がり、 短い継続時間で急激に降下するような波形のことを示す。 連続パルス波は矩形波や方形波と表現することもある。 簡単に言えば、…

音響学の基礎191 中間テスト27

中間テスト27 『周期が3msの複合音の第3倍音の波長は34cmである』 この記述は◯か✕か。 ヒント: 周期的複合音(周期音)は、 周期音=基本音+2倍音+3倍音+・・・ と書くことができる。 n倍音とはn倍の周波数の正弦波を表す。 基本音の周期をT1とすると、 2…

音響学の基礎190 中間テスト26

中間テスト26 『日本語の母音は周期的複合音である』 この記述は◯か✕か。 ヒント: 周期的複合音は周期音のことで、線スペクトルになる。 線スペクトルになるということは、 周波数が一定の値を取らないといけない。 母音の周波数は常に一定ではないので、周…

音響学の基礎189 中間テスト25

中間テスト25 『音速が340m/sのとき、800Hz純音の波長は0.425mである』 この記述は◯か✕か。 ヒント: この問題は、音速と周波数と波長の公式で求められる。 純音は音波の一種なのでそのまま代入することが可能。 c=fλ 音速=周波数×波長 今回は波長を求めた…

音響学の基礎188 中間テスト24

中間テスト24 『周期が8msの純音の周波数は125Hzである』 この記述は◯か✕か。 ヒント: 純音も音波の一種なので公式で計算できる。 f=1/T周波数=1/周期 この公式に周期の値を代入して計算すれば良い。 この問題では、単位がms(ミリ秒)なので、 8ms=0.008s…

音響学の基礎187 中間テスト23

中間テスト23 『500Hzの音波の周期は2msである』 この記述は◯か✕か。 ヒント: 周波数と周期の公式は、 f=1/T 周波数=1/周期 である。 周波数と周期は互いに逆数に成るので、 T=1/f 周期=1/周波数 と書くことができる。 今回は周期を求める計算なので、 T=…

音響学の基礎186 中間テスト22

中間テスト22 『500Hzの音波の波長は0.5mである』 この記述は◯か✕か。 ヒント: これは周波数が与えられて波長を求める問題。 教科書を見ても周波数と波長のみの公式はない。 音速と周波数と波長の公式がある。 c=fλ 音速=周波数×波長 先生は「お・は・し」…

音響学の基礎185 中間テスト21

中間テスト21 『気温が0℃の時の音速は331.5[m/s]であり、 気温が1℃上昇すると音速は0.61[m/s]早くなる』 『気温が20℃の時の音速はおよそ340[m/s]である』 この記述は◯か✕か。 ヒント: 空気中の音速c[m/s]は、 気温t[℃]を用いて、 c=331.5+0.6t と表すことが…

音響学の基礎184 中間テスト20

中間テスト20 『音の強さは音のエネルギーのことである』 『音のエネルギーは音圧実効値の2乗に比例する』 この記述は◯か✕か。 ヒント: と表すことができる。 ここで、空気の密度と音速は定数なので、 となり、音の強さは音圧(実効音圧)の値の2乗に比例…

音響学の基礎183 中間テスト19

中間テスト19 『音圧の実効値、周期、初期位相を音の3要素という』 この記述は◯か✕か。 ヒント: 音の3要素は「音の高さ」「音の大きさ」「音色」である。 ネットや参考書を見てもこう書かれているはずだ。 では、上の記述は何なのだろうか。 私は音圧の3…

音響学の基礎182 中間テスト18

中間テスト18 『400Hzの純音よりも、500Hzの純音の方が高いピッチ感覚を生起する』 この記述は◯か✕か。 ピッチ感覚: 実際に周波数は物理的に正しい設定であるにも関わらず、 音量の変化によって音が高く、あるいは低く聞こえる現象。 ヒント: ピッチ≒音の…

音響学の基礎181 中間テスト17

中間テスト17 『最大振幅が1Paの純音よりも、最大振幅が0.1Paの純音の方が大きく聞こえる』 この記述は◯か✕か。 純音は実効音圧で計算することが多いが、 ここでは両方とも純音の最大音圧が与えられているので、 最大振幅で判断すれば良い。 ヒント: 最大振…

音響学の基礎180 中間テスト16

中間テスト16 『音圧は通常実効値で表す』 『最大振幅が0.1Paの純音の実効値は0.07Paである』 この記述は◯か✕か。 ヒント: 純音の場合、実効音圧は最大値の約70%である。 70%を小数で表すと0.7なので、 式で表現すると、 (実効値)=(最大振幅)×0.7 とな…

音響学の基礎179 中間テスト15

中間テスト15 『若年健聴者は20[Hz]~40[kHz]程度の周波数範囲の音を知覚できる』 この記述は◯か✕か。 これは知識問題。 若年健聴者は20Hz~20kHzの周波数の音を知覚できる。 補足: k(キロ)は1000倍を表す補助単位である。 1km=1000m 1kg=1000g それを考…

音響学の基礎178 中間テスト14

中間テスト14 『周波数が100Hzのとき、角周波数は200π[rad/s]である』 この記述は◯か✕か。 角周波数を求める公式は、 ω=2πf である。 ここで、 ω:角周波数、単位[rad/s]。 f:周波数、単位[Hz]。 πは円周率なので定数である。 公式に値を代入すると求められ…

音響学の基礎177 中間テスト13

中間テスト13 『音圧は数学的に、P=A×sin(ωt+θ0)と表す』 『Aは時間とともに変化する』 これらの記述は◯か✕か。 上の文章は前々回解説してある。 今回は下の文章の解説をしよう。 Aは最大振幅で単位はPa(パスカル)だ。 時間とともに変化するということは、…

音響学の基礎176 中間テスト12

中間テスト12 『音圧は数学的に、P=A×sin(ωt+θ0)と表す』 『(ωt+θ0)を位相、または位相角という』 これらの記述は◯か✕か。 上の文章は前回解説したので、 今回は下の文章を考えよう。 角周波数ωの単位はラジアン毎秒。 つまり、1秒間にどのくらいの角度を回…

音響学の基礎175 中間テスト11

中間テスト11 『音圧は数学的に、P=A×sin(ωt+θ0)と表す』 この記述は◯か✕か。 ヒント: P=A×sin(ωt+θ0) これを数学的に説明すると非常に面倒なので形だけ覚えてほしい。 ×を省略した、 P=Asin(ωt+θ0)という表記もある。 P[Pa]:音圧はPで表し、単位はパスカ…

音響学の基礎174 中間テスト10

中間テスト10 『周波数の逆数を波の周期という』 この記述は◯か✕か。 ヒント: 周波数:1秒あたりに振動する回数。 つまり、波が1秒あたりに上下する回数。 周期:1回の振動に要する時間。 つまり、波が1回上下に振動するのにかかる時間。 周波数は記号f…

音響学の基礎173 中間テスト9

中間テスト9 今回の問題を厳密に解説するなら物理と数学の知識が必要だが、 この問題を解くだけならそこまでの知識は必要ない。 ヒント: 360°=2π 度数法の360°は弧度法の2πに等しい。 弧度法の単位はrad(ラジアン)であるが省略されることが多い。 1秒間…

音響学の基礎172 中間テスト8

中間テスト8 今回も正誤判定問題。 『1秒間の回転数を周波数という』 『1000Hzの正弦波には1秒間に1000個の波がある』 この2つの記述は◯か✕か。 ヒント: 1秒間の回転数は周波数や振動数という。 周波数は1秒間あたりの波の数と等しい。 cafetalk.com

音響学の基礎171 中間テスト7

中間テスト7 『正弦波は回転運動の縦方向成分の時間変化である』 この記述は◯か✕か。 ヒント: 音の大きさは音圧の時間変化として捉えることができる、 という表現は正しい。 問題なのは前半だろう。 回転運動を真横から見ると、上下に規則正しい運動をして…

音響学の基礎170 中間テスト6

中間テスト6 今回から純音と回転運動の単元の問題。 『純音は正弦波の音である』 『正弦波のひと波は回転運動の1回転に対応する』 これらの記述は◯か✕か。 ヒント: 円を回転する様子を真横から見ると、 規則的な往復運動をする。 それをグラフに表したもの…