ケイスケの音響学

言語聴覚士に必要な音響学の解説をします。

音響学の基礎185 中間テスト21

中間テスト21 『気温が0℃の時の音速は331.5[m/s]であり、 気温が1℃上昇すると音速は0.61[m/s]早くなる』 『気温が20℃の時の音速はおよそ340[m/s]である』 この記述は◯か✕か。 ヒント: 空気中の音速c[m/s]は、 気温t[℃]を用いて、 c=331.5+0.6t と表すことが…

音響学の基礎184 中間テスト20

中間テスト20 『音の強さは音のエネルギーのことである』 『音のエネルギーは音圧実効値の2乗に比例する』 この記述は◯か✕か。 ヒント: と表すことができる。 ここで、空気の密度と音速は定数なので、 となり、音の強さは音圧(実効音圧)の値の2乗に比例…

音響学の基礎183 中間テスト19

中間テスト19 『音圧の実効値、周期、初期位相を音の3要素という』 この記述は◯か✕か。 ヒント: 音の3要素は「音の高さ」「音の大きさ」「音色」である。 ネットや参考書を見てもこう書かれているはずだ。 では、上の記述は何なのだろうか。 私は音圧の3…

音響学の基礎182 中間テスト18

中間テスト18 『400Hzの純音よりも、500Hzの純音の方が高いピッチ感覚を生起する』 この記述は◯か✕か。 ピッチ感覚: 実際に周波数は物理的に正しい設定であるにも関わらず、 音量の変化によって音が高く、あるいは低く聞こえる現象。 ヒント: ピッチ≒音の…

音響学の基礎181 中間テスト17

中間テスト17 『最大振幅が1Paの純音よりも、最大振幅が0.1Paの純音の方が大きく聞こえる』 この記述は◯か✕か。 純音は実効音圧で計算することが多いが、 ここでは両方とも純音の最大音圧が与えられているので、 最大振幅で判断すれば良い。 ヒント: 最大振…

音響学の基礎180 中間テスト16

中間テスト16 『音圧は通常実効値で表す』 『最大振幅が0.1Paの純音の実効値は0.07Paである』 この記述は◯か✕か。 ヒント: 純音の場合、実効音圧は最大値の約70%である。 70%を小数で表すと0.7なので、 式で表現すると、 (実効値)=(最大振幅)×0.7 とな…

音響学の基礎179 中間テスト15

中間テスト15 『若年健聴者は20[Hz]~40[kHz]程度の周波数範囲の音を知覚できる』 この記述は◯か✕か。 これは知識問題。 若年健聴者は20Hz~20kHzの周波数の音を知覚できる。 補足: k(キロ)は1000倍を表す補助単位である。 1km=1000m 1kg=1000g それを考…

音響学の基礎178 中間テスト14

中間テスト14 『周波数が100Hzのとき、角周波数は200π[rad/s]である』 この記述は◯か✕か。 角周波数を求める公式は、 ω=2πf である。 ここで、 ω:角周波数、単位[rad/s]。 f:周波数、単位[Hz]。 πは円周率なので定数である。 公式に値を代入すると求められ…

音響学の基礎177 中間テスト13

中間テスト13 『音圧は数学的に、P=A×sin(ωt+θ0)と表す』 『Aは時間とともに変化する』 これらの記述は◯か✕か。 上の文章は前々回解説してある。 今回は下の文章の解説をしよう。 Aは最大振幅で単位はPa(パスカル)だ。 時間とともに変化するということは、…

音響学の基礎176 中間テスト12

中間テスト12 『音圧は数学的に、P=A×sin(ωt+θ0)と表す』 『(ωt+θ0)を位相、または位相角という』 これらの記述は◯か✕か。 上の文章は前回解説したので、 今回は下の文章を考えよう。 角周波数ωの単位はラジアン毎秒。 つまり、1秒間にどのくらいの角度を回…

音響学の基礎175 中間テスト11

中間テスト11 『音圧は数学的に、P=A×sin(ωt+θ0)と表す』 この記述は◯か✕か。 ヒント: P=A×sin(ωt+θ0) これを数学的に説明すると非常に面倒なので形だけ覚えてほしい。 ×を省略した、 P=Asin(ωt+θ0)という表記もある。 P[Pa]:音圧はPで表し、単位はパスカ…

音響学の基礎174 中間テスト10

中間テスト10 『周波数の逆数を波の周期という』 この記述は◯か✕か。 ヒント: 周波数:1秒あたりに振動する回数。 つまり、波が1秒あたりに上下する回数。 周期:1回の振動に要する時間。 つまり、波が1回上下に振動するのにかかる時間。 周波数は記号f…

音響学の基礎173 中間テスト9

中間テスト9 今回の問題を厳密に解説するなら物理と数学の知識が必要だが、 この問題を解くだけならそこまでの知識は必要ない。 ヒント: 360°=2π 度数法の360°は弧度法の2πに等しい。 弧度法の単位はrad(ラジアン)であるが省略されることが多い。 1秒間…

音響学の基礎172 中間テスト8

中間テスト8 今回も正誤判定問題。 『1秒間の回転数を周波数という』 『1000Hzの正弦波には1秒間に1000個の波がある』 この2つの記述は◯か✕か。 ヒント: 1秒間の回転数は周波数や振動数という。 周波数は1秒間あたりの波の数と等しい。 cafetalk.com

音響学の基礎171 中間テスト7

中間テスト7 『正弦波は回転運動の縦方向成分の時間変化である』 この記述は◯か✕か。 ヒント: 音の大きさは音圧の時間変化として捉えることができる、 という表現は正しい。 問題なのは前半だろう。 回転運動を真横から見ると、上下に規則正しい運動をして…

音響学の基礎170 中間テスト6

中間テスト6 今回から純音と回転運動の単元の問題。 『純音は正弦波の音である』 『正弦波のひと波は回転運動の1回転に対応する』 これらの記述は◯か✕か。 ヒント: 円を回転する様子を真横から見ると、 規則的な往復運動をする。 それをグラフに表したもの…

音響学の基礎169 中間テスト5

中間テスト5 今回も正誤判定問題。 『純音はあらゆる音の構成要素である』 この文章が◯か✕か判断しよう。 ヒント: 純音は正弦波(サイン波)で表される。 全ての音は正弦波から構成される。 cafetalk.com

音響学の基礎168 中間テスト4

中間テスト4 今回も正誤判定問題。 『音波は横波である』という記述は◯か✕か。 ヒント: 投稿23、投稿24を読んで復習しよう。 この問題は頻出なので間違えないように。 cafetalk.com

音響学の基礎167 中間テスト3

中間テスト3 今回も正誤判定問題。 『空気の粒子は1秒間に340mも進行する』 この記述は◯か✕か。 ヒント: 1秒間に340m進むということは、秒速340mと同じである。 この文章は、空気の粒子について問われている。 音が秒速340mかを問われているのではない点に…

音響学の基礎166 中間テスト2

中間テスト2 今回も正誤判定問題。 音の伝わり方についての記述。 『空気の粒子が振動して』 『連鎖的に移動することで音が空気中を伝わる』 この2つがポイントだ。 ヒント: 空気の粒子の振動が連鎖的に移動するというのは、 ドミノ倒しをイメージすると良…

音響学の基礎165 中間テスト1

音響学 中間テスト1 今回から音響学の中間テスト対策の投稿を始める。 すべて正誤を判定する問題。 つまり、◯か✕かを答えれば良い。 まずは、音波の範囲の問題から。 『音波は疎密波』 『密は気圧が高くて、疎は気圧が低い』 この2つの部分の記述が正しいか…

音響学の勉強方法

音響学の相談室 音響学に苦戦するのは、言語聴覚士を目指している方がほとんどだろう。 言語聴覚士の国家資格の範囲の一部に音響学が含まれるが、 それよりも大学や専門学校で単位を取得するのが厳しい。 勉強が大変だけど必修科目だから避けては通れない。 …

音響学の基礎164 名前と文字の整理

名前と文字の整理 波の分野の単語と意味と単位のプリントを作った。 このプリントは見てすぐに解けないといけない。 これを覚えないと、公式を覚えてもあまり意味がない。 白紙の状態から全部埋めることができるようになろう。 一段目だけ解答を書いておこう…

音響学の基礎163 音の正体

音の正体 今回は音について詳しく書こう。 音波というくらいだから波の一種であることはわかるが、 何で音が波なのかわからない人が多い。 まず、音というのは音源が発した空気の振動だ。 その空気の振動は人間の耳を振動させ、 人間が感知し音と認識する。 …

音響学の基礎162 計算練習③

計算練習③ 今日も計算練習をしよう。 慣れたら単位換算表を見ないで解こう。 音響学で頻出の単位換算は、 音圧の他に波長や周期の計算がある。 例えば、周期の単位にミリ秒が出てくる。 ミリ秒という表記を見たことがない人が殆どだろう。 でも、単位換算表…

音響学の基礎161 計算練習②

計算練習② 今回は小数の計算練習。 数値を求める計算では分数の解答はほぼない。 分数は計算して小数に直すのが一般的だ。 ということで、今回は小数の計算をしよう。 小数の計算は小学校の算数で勉強して以来、 ほとんど出番がないから忘れている人が多いか…

音響学の基礎160 計算練習①

計算練習① 前回までが音響学の国家試験過去問のヒント。 今回からは数学分野に戻って計算練習をしよう。 難易度は一気に低くなるので、肩の力を抜いて挑戦しよう。 計算するときは必ず自分の手で紙と鉛筆で解くこと。 頭の中で計算して間違うより、手を動か…

音響学の基礎159 過去問㊽

過去問㊽ 今回は声道に含まれない部分を選ぶ問題。 復習範囲は投稿140。 肺から出された空気(呼気)は、 気管→喉頭→口腔を通って唇から声として発せられる。 肺からの呼気の通路を気道と呼び、 気道のうち喉頭よりも上側の、咽頭、口腔、鼻腔を合わせて声道…

音響学の基礎158 過去問㊼

過去問㊼ 今回は20μPaの純音を線形増幅器で20dB増幅したときの音圧レベルを計算する問題。 音圧→音圧レベルの計算の復習範囲は、投稿81~投稿83。 音圧を音圧レベルに変換して20dB増幅すれば終わり。 なんだけど、今回は20μPaという数値が与えられている。 2…

音響学の基礎157 過去問㊻

過去問㊻ 今回は1000Hz、20mPaの純音を20dB増幅した音圧レベルを計算する問題。 音圧→音圧レベルの計算の復習範囲は、投稿81~投稿83。 必要な数値は音圧の20mPaと増幅分の20dBだけ。 まず、20mPaを音圧レベルに変換しよう。 dBSPL=20log(P/P0) に必要な数値…