ケイスケの音響学

言語聴覚士に必要な音響学の解説をします。

音響学の基礎201 中間テスト37

中間テスト37

『音圧の実効値は、基準値に対する比を10のべき乗で表し、

 そのべき数の2倍(ベル)で表す』

この記述は◯か✕か。

 

ヒント:

投稿200と同様に考えよう。

音圧レベル(dB SPL)は、次の式で計算する。

dB SPL=20log(P/P0)

P0:音圧の基準値 (=2× 10^{-5}[Pa])

P:音圧 [Pa]

10のべき乗というのは具体的には、

 10^{2} 10^{-5} のように10を何乗かしたものである。

 


例えば、

P=20[mPa]のとき、

  =20× 10^{-3}[Pa]

  =2× 10^{-2}[Pa]

dB SPL= 20 \log \left( \dfrac{2×10^{-2}}{2×10^{-5}}\right)

  = 20 \log \left( \dfrac{1}{10^{-3}}\right)

  = 20 \log \left({10^{3}}\right)

  =20×(3log10)

  =20×3

  =60 dB SPL

  =6B SPL

最後にデシベルからベルに変換すると、

基準値に対するべき数と等しくなる。

 


補足:

問題文は音圧レベル(dB SPL)ではなく、

音圧実効値[hPa]についての言及なので、

より厳密に表現するのであれば、

「音圧レベルは」だと思う。

 

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