ケイスケの音響学

言語聴覚士に必要な音響学の解説をします。

音響学の基礎143 過去問㉜

過去問㉜

今回は閉管の音響管の共鳴周波数に近い選択肢を選ぶ問題。

復習範囲は投稿50

 

閉管の共鳴の公式は、

fn=nc/4L

fn:n倍振動の周波数[Hz]

n:自然数(1,2,3,・・・)

c:音速[m/s]

L:閉管の長さ[m]

上式には閉管の内径が必要ないので内径の3cmは使わない。

閉管の長さが17cmなのでmに変換しよう。

 

f1=1×340/4×0.17

   =500Hz

f3=3×f1=3×500=1500Hz

 

※発展(音響学では必要ない知識)

共鳴周波数に近いのはどれかと聞かれているのは、

厳密には開口端補正というのがあるからだ。

閉管の開口部の末端では定常波の腹の位置は閉管の末端と一致しない。

定常波の波長は閉管の長さを基準に計算したときよりも長くなる。

 

開口端補正の大きさは閉管の半径の0.6倍から0.8倍程度なので、

今は仮に開口端補正Δl≒0.6rとする。

内径は閉管の内側の直径なので、閉管の半径は1.5cmになる。

f1=nc/4(L+Δl)

   =1×340/(4×(0.17+0.6×0.015))

   ≒475Hz

f3=3×f1≒3×475=1425Hz

開口端補正を考慮しても解答は変わらないことがわかる。

 

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