ケイスケの音響学

言語聴覚士に必要な音響学の解説をします。

音響学の基礎144 過去問㉝

過去問㉝

今回は中性母音の声道内定在波の記述のうち誤っているものを選ぶ問題。

定在波は定常波のことであり、

F1は第1フォルマント(基本振動の周波数)、

F2は第2フォルマント(3倍振動の周波数)、を表す。

 

振動(粒子速度)の節=音圧の腹、

振動(粒子速度)の腹=音圧の節、となる。

頻出なので間違えないようにしよう。

声道は声門を閉口端、唇を開口端とした閉管モデルで表されるので、

閉管の共鳴の図を描いてみるとわかりやすい。

先に波形を描いて波形の腹が音圧の節になると考えよう。

 

第1フォルマントのとき「⊂」のような波形となる。

声門が振動の節=音圧の腹、

唇が振動の腹=音圧の節、になる。

 

第2フォルマントのとき「∝」のような波形となる。

第1フォルマントのときと同様に、

声門が振動の節=音圧の腹、

唇が振動の腹=音圧の節、になる。

音圧の腹と節がどちらも2ヶ所にできる。

3倍振動の周波数なので第1フォルマントの周波数の3倍になる。

 

閉管に近似したとき、

第1フォルマントと第2フォルマントはどちらも、

声門で常に振動の節=音圧の腹、

唇で常に振動の腹=音圧の節になる。

 

問題では問われていないが、

F3は第3フォルマント(5倍振動の周波数)ということも覚えておこう。

閉管の共鳴ではn倍振動のnは自然数の奇数になる。

 

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