ケイスケの音響学

言語聴覚士に必要な音響学の解説をします。

音響学の基礎146 過去問㉟

過去問㉟

今回は音響管内の音波の伝播で誤っているものを選ぶ問題。

 

音波は縦波なので、音響管内では縦波が伝播する。

開放端は振動(粒子速度)の腹=音圧の節になる。

波の伝わる速さは温度に依存し、

周波数には依存しない。

 

発展(音響学では必要ない知識):

音速と周波数と波長の公式は、

 c=fλ

だから、

fn(n倍振動の周波数)が高いほど

c(波の伝わる速度:音速)が速いのでは?

と思う人がいるかも知れない。

一つ重要なことを見落としている。

それは、開管の長さから求められたλn(n倍振動の波長)を考慮してないことだ。

fn(n倍振動の周波数)はλn(n倍振動の波長)を元に、

 c=fλ

の公式から導き出している。

そのとき、音速は定数とみなしているので、

周波数が高いほど波の伝わる速度は速い、は間違いである。

 

また、開管の共鳴の公式は、

 fn=nc/2L

fn:n倍振動の周波数

n:自然数(n=1,2,3,・・・)

c:音速

L:開管の長さ

と表されるので、

気温が高くなり音速が速くなると周波数が微増する。

トロンボーンやパイプオルガンなどの管楽器は、

気温が上がるとピッチ(音程)が上がる。

それは、気温の変化による音速の変化が原因である。

 

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