今回は音響管内の音波の伝播で誤っているものを選ぶ問題。
音波は縦波なので、音響管内では縦波が伝播する。
開放端は振動(粒子速度)の腹=音圧の節になる。
波の伝わる速さは温度に依存し、
周波数には依存しない。
発展(音響学では必要ない知識):
音速と周波数と波長の公式は、
c=fλ
だから、
fn(n倍振動の周波数)が高いほど
c(波の伝わる速度:音速)が速いのでは?
と思う人がいるかも知れない。
一つ重要なことを見落としている。
それは、開管の長さから求められたλn(n倍振動の波長)を考慮してないことだ。
fn(n倍振動の周波数)はλn(n倍振動の波長)を元に、
c=fλ
の公式から導き出している。
そのとき、音速は定数とみなしているので、
周波数が高いほど波の伝わる速度は速い、は間違いである。
また、開管の共鳴の公式は、
fn=nc/2L
fn:n倍振動の周波数
n:自然数(n=1,2,3,・・・)
c:音速
L:開管の長さ
と表されるので、
気温が高くなり音速が速くなると周波数が微増する。
トロンボーンやパイプオルガンなどの管楽器は、
気温が上がるとピッチ(音程)が上がる。
それは、気温の変化による音速の変化が原因である。