ケイスケの音響学

言語聴覚士に必要な音響学の解説をします。

音響学の基礎149 過去問㊳

過去問㊳

今回はホルマント(フォルマント)と無関係な音波の性質を選ぶ問題。

 

今回は単語を一つずつ整理していこう。

ホルマント:音声の周波数スペクトルに現れる、周囲よりも強度が大きい周波数帯域。

音声のスペクトルには、

エネルギーが集中して分布している周波数帯域が5kHzまでの間に4、5か所存在する。

この帯域のことをホルマント、その中心の周波数をホルマント周波数という。

たとえば、男声の日本語五母音の3kHzまでのスペクトルを見た場合、

それぞれのスペクトル包絡の複数のピークをホルマントという。

また、そのピークの周波数を低いほうから順次

第1、第2、第3ホルマント周波数といい、F1、F2、F3と略記する。

ホルマントは、その音を発生するときの開口度や舌の前後位置によって決まる

口腔の共鳴により発生し、その共鳴周波数をホルマント周波数という。

 

干渉:波が重なって振動を強めあったり弱めあったりする現象。

同じ周波数の音を2つのスピーカーから出すと、

音がよく聞こえる場所と聞こえにくい場所ができる。

これは、音の干渉により空気の振動を強めあう所と、弱めう所ができるからである。

 

放射:波や音などを外に放つこと。また、一点から四方八方に放ち出すこと。

二次元(平面)なら円状、三次元(立体)なら球状に波が進むことを意味する。

 

反射:発生した音が障害物に当たり元に戻ってくること。

ある媒質の中を進む波が、他の媒質との境界面にぶつかり、

その一部がもとの媒質中の異なった方向に進む現象。

光・電波・熱・音などが物の表面に当たって、反対の方向に進むこと。

 

音速: 音波の伝わる速さ。媒質の性質や音波が伝わる時の温度などにより異なる。

 

波長:音波の山から山(谷から谷)までの距離。

 

声帯で作られた音波は、

声道内で反射し、互いに干渉しあい共鳴することで音声となる。

そのときの声道の形状によってホルマント周波数が定まる。

 

閉管の共鳴の公式

 fn=nc/4L

より、音速はホルマントに関係することがわかり、

音速と波長と周波数の公式

 c=fλ

より、波長も音速に影響するのでホルマントに関係することがわかる。

 

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