今回はホルマント(フォルマント)と無関係な音波の性質を選ぶ問題。
今回は単語を一つずつ整理していこう。
ホルマント:音声の周波数スペクトルに現れる、周囲よりも強度が大きい周波数帯域。
音声のスペクトルには、
エネルギーが集中して分布している周波数帯域が5kHzまでの間に4、5か所存在する。
この帯域のことをホルマント、その中心の周波数をホルマント周波数という。
たとえば、男声の日本語五母音の3kHzまでのスペクトルを見た場合、
それぞれのスペクトル包絡の複数のピークをホルマントという。
また、そのピークの周波数を低いほうから順次
第1、第2、第3ホルマント周波数といい、F1、F2、F3と略記する。
ホルマントは、その音を発生するときの開口度や舌の前後位置によって決まる
口腔の共鳴により発生し、その共鳴周波数をホルマント周波数という。
干渉:波が重なって振動を強めあったり弱めあったりする現象。
同じ周波数の音を2つのスピーカーから出すと、
音がよく聞こえる場所と聞こえにくい場所ができる。
これは、音の干渉により空気の振動を強めあう所と、弱めう所ができるからである。
放射:波や音などを外に放つこと。また、一点から四方八方に放ち出すこと。
二次元(平面)なら円状、三次元(立体)なら球状に波が進むことを意味する。
反射:発生した音が障害物に当たり元に戻ってくること。
ある媒質の中を進む波が、他の媒質との境界面にぶつかり、
その一部がもとの媒質中の異なった方向に進む現象。
光・電波・熱・音などが物の表面に当たって、反対の方向に進むこと。
音速: 音波の伝わる速さ。媒質の性質や音波が伝わる時の温度などにより異なる。
波長:音波の山から山(谷から谷)までの距離。
声帯で作られた音波は、
声道内で反射し、互いに干渉しあい共鳴することで音声となる。
そのときの声道の形状によってホルマント周波数が定まる。
閉管の共鳴の公式
fn=nc/4L
より、音速はホルマントに関係することがわかり、
音速と波長と周波数の公式
c=fλ
より、波長も音速に影響するのでホルマントに関係することがわかる。