ケイスケの音響学

言語聴覚士に必要な音響学の解説をします。

音響学の基礎73 バンドノイズのスペクトル

バンドノイズのスペクトル

バンドノイズはある範囲の周波数成分を均一にもっている雑音のことだ。

波形は純音に近そうだが、スペクトルは全く違う。

 

バンドノイズには中心周波数と帯域幅を持つ。

中心周波数はスペクトルの四角形の中心の周波数で、

帯域幅はスペクトルの四角形の横幅のことだ。

 

パワースペクトルの計算は、dB値と周波数帯域から求めることができる。

連続スペクトルの場合の音のレベルは、

レベル密度(縦軸の値)× 帯域幅(横軸の幅)

となる。

 

今仮に、下図のレベル密度が30 dB/Hz、帯域幅が100 Hzだとすると、

このバンドノイズのレベルは、

30 (dB/Hz)×100 (Hz)

で求めたいが、ただ単に掛ければ良いというものではない。

 

これは1 kHzあたり30 dBのエネルギーを100 Hz分加算することを表す。

要は音の強さを100倍にするということだ。

音の強さが100倍のときdB値は+20 dBとなるので、

30+20=50 dB

と計算する。

この50 dBがこのバンドノイズのレベルになる。

 

dBSIL(dBIL)の計算は投稿⑱に戻ろう。

計算するときは数値だけでなく単位にも注意しよう。

 

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