ケイスケの音響学

言語聴覚士に必要な音響学の解説をします。

音響学の基礎97 音圧計算 応用問題

応用問題

今日は応用問題に挑戦しよう。

この問題は音響学のテストの過去問に載っていた。

このレベルになると正解率も出題率も下がるだろう。

その分、今回はヒント多めで解説する。

 

今回は音圧比(P/P0)のみを求める問題だ。

解法は2つある。

①30 dBを20 dB+10 dBとして別々に音圧比を求める方法。

②指数法則を用いて計算する方法。

先に言っておくと 10^{\frac{1}{2}}=\sqrt{10} を知らないと解けない。

 

①30 dBを20 dB+10 dBとして別々に音圧比を求める方法。

音圧レベルを求めるdBSPLの公式では、

dBSPL=20log(音圧比) なので、20 dBSPLのときはすぐ求めることができる。

30=20+10 として、20 dBSPLのときの音圧比を求める。

次に10 dBSPLのときの音圧比を求める。

今までと同じように解くと 10^{\frac{1}{2}} という値が出てくる。

これは \sqrt{10} なので、問題文より3.16となる。

dBSPL=20log(音圧比) の形に式を変形するので、

30=20+10

 =20log(10)+20log(3.16)

 =20log(10×3.16)

 =20log(31.6)

と求められる。最後は対数の公式を使う。

 

②指数法則を用いて計算する方法。

こちらは少しテクニカル。計算は①よりはるかに楽。

dBSPL=20log(音圧比)

dBSPLの値に30を代入して今までと同様に計算すると、

音圧比に 10^{\frac{3}{2}} という値が出てくる。

指数法則より、

 10^{\frac{3}{2}}10^1 × 10^{\frac{1}{2}} 

なので、音圧比は 10×3.16 で計算できる。

 

テキストや過去問の解説では①で解答している。

どちらも試してわかりやすい方で解いてみよう。

 

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