ケイスケの音響学

言語聴覚士に必要な音響学の解説をします。

音響学の基礎183 中間テスト19

中間テスト19

『音圧の実効値、周期、初期位相を音の3要素という』

この記述は◯か✕か。

 

ヒント:

音の3要素は「音の高さ」「音の大きさ」「音色」である。

ネットや参考書を見てもこう書かれているはずだ。

では、上の記述は何なのだろうか。

私は音圧の3要素なのではないだろうかと思う。

 

音圧の3要素は、

最大振幅:A[Pa]

周波数:f[Hz]

初期位相:θ0[rad]

である。

 

補足:

このうち周波数fは周期Tから計算できるので、

周期:T[s]

が周波数の代わりに用いられても問題ない。

角周波数:ω[rad/s]

も周波数に関係する値なので、

周波数の代わりに角周波数で書かれるかもしれない。

 

『音圧は数学的に、P=A×sin(ωt+θ0)と表す』

このとき音圧Pを求めるためには、

時間tの他に何が必要か、という問題だと考えると良い。

解答は、

最大振幅A、角周波数ω、初期位相θ0だ。

角周波数は周波数からでも計算できるということ。

音圧の実効値はPなのでこれは3要素に含まれない。

 

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音響学の基礎182 中間テスト18

中間テスト18

『400Hzの純音よりも、500Hzの純音の方が高いピッチ感覚を生起する』

この記述は◯か✕か。

 

ピッチ感覚:

実際に周波数は物理的に正しい設定であるにも関わらず、

音量の変化によって音が高く、あるいは低く聞こえる現象。

 

ヒント:

ピッチ≒音の高さ、と考えるとわかりやすい。

すると、この文章は、

『高周波数の音は高い音に聞こえる』

と解釈できる。

周波数は1秒間に波が振動する回数だから、

周波数が高いほど1つの波が狭くなる。

逆に、周波数が低いほど1つの波は広くなる。

 

補足:

ピッチは周波数と関連が深く、同一視されることも多い。

周波数は音の高低に対応する物理的な指標であり、

ピッチはそのような音の高低に対する心理的な指標である。

前者は音響音声学的な指標、後者は聴覚音声学的な指標といってもよい。

 

厳密に言うと違うという話。

 

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音響学の基礎181 中間テスト17

中間テスト17

『最大振幅が1Paの純音よりも、最大振幅が0.1Paの純音の方が大きく聞こえる』

この記述は◯か✕か。

 

純音は実効音圧で計算することが多いが、

ここでは両方とも純音の最大音圧が与えられているので、

最大振幅で判断すれば良い。

 

ヒント:

最大振幅は波の山の大きさを示す。

大きい波と小さい波があったとき、

どちらがエネルギーが強くなるだろうか?

 

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音響学の基礎180 中間テスト16

中間テスト16

『音圧は通常実効値で表す』

『最大振幅が0.1Paの純音の実効値は0.07Paである』

この記述は◯か✕か。

 

ヒント:

純音の場合、実効音圧は最大値の約70%である。

70%を小数で表すと0.7なので、

式で表現すると、

(実効値)=(最大振幅)×0.7

となる。

 

補足:

音波が生じると、大気圧からわずかに圧力がずれる。

空気の大気圧から圧力のずれを人間が知覚している。

横軸時間、縦軸音圧の音波のグラフを見ることが多いが、

一般的にその音の音圧とは、圧力グラフの最大値ではなく、

実効値という平均的な値を指している。

 

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音響学の基礎179 中間テスト15

中間テスト15

『若年健聴者は20[Hz]~40[kHz]程度の周波数範囲の音を知覚できる』

この記述は◯か✕か。

 

これは知識問題。

若年健聴者は20Hz~20kHzの周波数の音を知覚できる。

 

補足:

k(キロ)は1000倍を表す補助単位である。

1km=1000m

1kg=1000g

それを考えると、

20Hz~20kHzは、20~20,000Hzと書くこともできる。

0が多いと間違いやすいので通常は前のように書く。

 

参考:

ピアノの周波数:27.5~4,186Hz

人の話声:100~1,000Hz

 

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音響学の基礎178 中間テスト14

中間テスト14

『周波数が100Hzのとき、角周波数は200π[rad/s]である』

この記述は◯か✕か。

 

角周波数を求める公式は、

ω=2πf

である。

ここで、

ω:角周波数、単位[rad/s]。

f:周波数、単位[Hz]。

πは円周率なので定数である。

公式に値を代入すると求められる。

 

補足:

周波数fの単位はHzと書かれているが、

これは1秒あたりの振動数のことである。

つまり、50Hzなら1秒間に50回の波が繰り返される。

 

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音響学の基礎177 中間テスト13

中間テスト13

『音圧は数学的に、P=A×sin(ωt+θ0)と表す』

『Aは時間とともに変化する』

これらの記述は◯か✕か。

 

上の文章は前々回解説してある。

今回は下の文章の解説をしよう。

 

Aは最大振幅で単位はPaパスカル)だ。

時間とともに変化するということは、

tが変化するとそれに伴って値が変化するということ。

 

結論をいうと、

P=A×sin(ωt+θ0)の式のうち、

A、ω、θ0は定数で、P、tは変数だ。

最大振幅Aは波の高さのこと。

波がどこまで続いても波の最大の高さは変わらない。

 

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