ケイスケの音響学

言語聴覚士に必要な音響学の解説をします。

音響学の基礎223 中間テスト59

中間テスト59

『400Hz60dB SPLの純音と600Hz20mPaの純音から成る

 複合音の音圧レベルは63dB SPLである』

この記述は◯か✕か。

 

ヒント:

周波数は複合音の音圧レベルや音の強さのレベルには関係ない。

そして、複合音は音のエネルギーの問題なので、

計算式は音の強さのレベルの公式を使う。

どちらも音圧に関係する値だからと間違えないようにしよう。

 

先に60dB SPLを60dB ILに変換しておく。

あとは、今回は20mPaと音圧レベルが与えられているので、

音の強さのレベルに変換してから複合音の音の強さのレベルを計算する。

 

20mPa=20×103μPaなのでμPa同士で計算すると、

dB SPL= 20 \log \left( \dfrac{20×{10}^{3}}{20}\right)

  = 20 \log \left({10}^{3}\right)

  =20×(3log10)

  =20×(3×1)

  =20×3

  =60dB SPL

 

60dB SPLは60dB ILなので、

次に、60dB ILと60dB ILの複合音の音の強さを求める。

 

仮に音圧がA[W/m2]のときの音圧レベルを60[dB IL]とする。

dB IL=10log(I/I0)

 60=10log(A/I0)

となるとする。

音の強さが2倍になると2A[W/m2]になるので、

Aのところに2Aを代入する。

dB IL=10log(2A/I0)

  =10log(2×A/P0)

  =10×(log2+log(A/P0))

  =10log2+10log(A/P0)

ここで、60=10log(A/I0)なので、

dB IL=10log2+60

   =10×0.3+60

   =3+60

   =63dB IL

複合音の音の強さのレベルは63dB ILとなる。

最後に音圧レベルに変換して63dB SPLとなる。

 

補足:

音の強さが2倍になるとき、

音の強さのレベルは3dB IL増えることを覚えていると計算しなくても良い。

 

cafetalk.com