ケイスケの音響学

言語聴覚士に必要な音響学の解説をします。

音響学の基礎052 閉管の共鳴 応用問題④

閉管の共鳴 応用問題④

これもテキストの例題の数値を計算しやすく変更した。

テキストでは2.4 cmとしていたが、

ネットで調べると外耳道の長さは、成人の場合2.5~3.5 cmなので、

その中で最も計算しやすい値の2.5 cmを用いた。

 

閉管の共鳴の式がわかったら後は代入するだけ。

代入というのはあてはめるということ。

今はあてはめると言うらしいがどうも個人的にしっくり来ない表現だ。

文字の代わりに入れるから代入という。

 

さておき。

ここも単位に注意が必要。

あと、音速は余程のことがない限り340 m/sを使って良い。

340 m/sを使わない問題は他に数値が与えられるはず。

『ただし、音速は350 m/sとする』

という追加がなければ定数として340m/sを使おう。

 

まず、cmをmに直す。

2.5 cm=2.5×10-2 m

(ア)基本振動のとき

 \rm{f_n=\dfrac {nc}{4L}}

この式に下の値を代入する。

n=1

c=340 [m/s]

L=2.5×10-2 [m]

 \rm{f_1=\dfrac {1×340}{4×2.5×10^{-2}}}

  \rm{=\dfrac {340}{10×10^{-2}}}

  \rm{=\dfrac {340}{0.1}}

  \rm{=\dfrac {3400}{1}}

  \rm{=3400}

よって、3400 Hzと求められる。

 

(イ)3倍振動のとき

閉管のn倍振動の式に代入してもいいけど、計算が大変だ。

3倍振動の周波数は基本振動の3倍になることを利用して、

 \rm{f_3=3×f_1}

  \rm{=3×3400}

  \rm{=10200}

よって、10200 Hzと求められる。

 

閉管の共鳴の式がわかればいろんな問題に応用ができる。

閉管の式を導き出すのは厄介だけど一度わかると楽しくならない?

実際に3000~4000 Hzと9000 Hzあたりに聞こえのピークが見られる。

近い数字になったでしょう?