ケイスケの音響学

言語聴覚士に必要な音響学の解説をします。

音響学の基礎385 模擬問題29

模擬問題29

『次のうち正しいものの組み合わせはどれか』

 

a. 時間ピッチは、聴覚神経の追随できる1000Hz程度まで感じることができる。:✕

→ピッチ知覚は神経の追随能力だけでなく、

 基底膜の場所情報も含む複雑なプロセスによるものである。

b. 臨界帯域は、全周波数帯でほぼ同じ帯域幅である。:✕

→臨界帯域は周波数によって異なる。

 低周波では狭く、高周波になるにつれて広がる。

c. 感覚レベルの基準値は聴覚閾値と必ず一致する。:◯

→感覚レベル(SL)は、個人の聴覚閾値を基準としている。

 つまり、感覚レベル0dBはその人の聴覚閾値を指す。

d. 両耳聴で、マスカーとマスキーの音源方向が同じ方がマスキング量が大きい。:◯

→マスカーとマスキーが同じ方向から来る場合、

 両耳での音の分離が困難になるため、

 マスキング量が大きくなることが知られている。

e. 40フォンの音は、20フォンの音の2倍の大きさである。:✕

→フォンは知覚される音の大きさを示す指標であり、

 音の大きさの知覚は対数的である。

 40フォンの音が20フォンの音の「2倍」と感じられるわけではない。

 

よって、ウが正解である。

 

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